※2021/9/9追記:こちらにも新しく記事を追加しましたのでよければ見てみてください。
ドタラはベンガル地方(インドの東部~ネパール当たり)で使用されている撥弦楽器(弦をはじいて音を出す)です。
名前は2弦、3コースの楽器
ドタラは、現地の言葉で「2弦」を意味します。しかし、実際の弦は4弦あります。(5弦のものもある)
これはもともと2弦だった楽器に、どんどん弦が追加された結果らしい。
さらにややこしいことに、4弦のうち、2弦と3弦は複弦となっており、同じ音に調弦して、一緒に鳴らすんです!(アップピッキングの際は1本だけ鳴らす)
マンドリンなんかは、2弦1セット×4の計8弦構成ですよね。ドタラはなぜか真ん中だけが2弦1構成という不思議な構成になっています。
現地でどう呼んでいるのか知らないけど、ここでは1弦、2弦…のような呼び方ではなく、マンドリンに倣い1コース、2コース…という風に呼ぶことにします。
弦の使われ方も、4弦はナイロン、1弦は鉄弦が基本ですが、2・3弦はナイロンだったり鉄だったりまちまちらしい。要は、奏者が欲しい音に合わせて変えるそうです。
チューニング
調弦は、3コースより、Pa、Sa、Ma。ドレミでいうと、ソ、ド、ファです。要するに四度調弦。ただし、移動ドのため、四度調弦が守られていれば、実音は好きにしてよい様子。
弦をどうするか
日本ではドタラ用の弦はまず見つからないでしょう。そうなってくると、弦交換しようとすると手に入りやすいギターの弦などで代用することが考えられます。
参考までに、我が家のドタラの弦(入手時から張ってあったもの)について調べてみました。弦長は約41cm。各弦の太さは、
- 1弦 … 0.268mm、0.0105インチ(鉄弦)
- 2・3弦…0.325mm、0.0128インチ(鉄弦)
- 4弦…0.820mm、0.0322インチ(ナイロン弦)
なので1弦にはエレキギターの1弦(ライトゲージ)、2・3弦はエレキギターの2弦(ライトゲージ)、4弦はクラシックギターの3弦(ノーマルテンション)あたりを使えばよい、ということになりそうです。
ただし、注意点として、弦長が楽器によって異なること、上記は張った後の太さのため、張る前はもう少し太い可能性があること、今回は実音でソドファに調弦しているが、別の実音に調弦したい場合はこの限りでないこと、等があげられるでしょうか。ほかにも、線密度(弦の重さ)も上記は考慮していないです。
とあるネットの記事によると、弦は張った後に5~10%程細くなるらしいので、この辺りも加味して考えた方がよさそうです。
ドタラの特徴
ドタラの特徴は、皮張り、フレットレスであることです。その点は、三味線も同じですね。三味線も猫または犬の皮が張ってあり、フレットがないです。なので、音の系統もギターよりかは三味線の方が近い気がします。
ドタラは、フレットがないことを除けばギターと大差ないので、ギター弾きなら簡単に弾けそうにも思えます。これは、ある意味正解で、ある意味間違いです。
音を出すだけなら、ピッチ感の良いギタリストなら簡単にできると思います。大切なのは、この楽器で弾く音楽。ベンガル地方のドタラなら、やはりベンガル地方の音楽を弾くのが一番良いと思うのです。
※よく二胡や馬頭琴等の民族楽器でJPOPやクラシックを弾いているCDを見かけますが、個人的には邪道だと思うんですよね…
ベンガル地方は7音音階。ただし、タイの7平均律とは異なり、12平均律のうちの7音。(平均律、かどうかは実際現地の人がなんていうかわからないですが)