世界民族音楽体系/VHD

今回は音楽の話とはちょっと毛色が違いますが…

民族音楽の資料を集めようとすると、レコードとか過去のメディアに手を出さざるを得ないことがあります。

ビクターより発売された、「音と映像による 世界民族音楽体系(全16巻)」 「音と映像による 新世界民族音楽体系(全15巻)」というものがあり、ただいまそれをせっせとデジタル化しております。

このメディア、VHD( Video High Density Disc )というのですが皆さんご存じでしょうか? 私のイメージでは1980年代に使用されていたビデオディスクで、LD(レーザーディスク)との競争に負けたため、知っている人は比較的マニアな部類に入るかも知れません。

さて、この「世界民族音楽体系」はネットオークション等でもよく出品されているので見かけたことある人もいるかも知れません。

ですが、やはり古いメディアということもありプレーヤーを探すのも簡単ではないですし、見つけたとしても正常に再生できるのか?という問題があります。

ちょっと機械オタク的な話題にはなってしまいますが、貴重な民族音楽の映像資料をなんとか残したい…という音楽マニアのために、私がデジタル化にチャレンジして得た知識を公開したいと思います。

VHDについて

まずは軽ーくVHDについて説明させていただきますと、VHDはMDのようにカートリッジの中にディスクが納められ、再生時はプレーヤーにカートリッジを差し込むと、中のディスクだけがプレーヤーに取り込まれるようになっています。MDと違って、空になったカートリッジは取り出します。ディスクをカートリッジに戻すときには、またカートリッジを差し込むと納めてくれます。
ちなみに、プレーヤーによって、カートリッジをちょこっと差し込めばよしなにしてくれるものと、奥まで差し込まなければいけないものがあります。

次に、VHDの特徴の一つとして、レコードのように針でなぞってデータを読み込むということがあります。ですので、たくさん再生されたディスクはすり減り、ノイズや映像が飛んだりします。針も同様で、沢山使用すれば摩耗します。

今では新品の針を購入するのは、不可能でしょうね。(いろいろ探しましたが、中古でもほとんどないです)

プレーヤーを手に入れる

VHDプレーヤー自体は、ネットオークションを漁ればすぐに見つけることができます。ほとんどジャンクですが…。ちなみに、私は4台入手し、1台は普通に使用できました。2台は修理が必要でした。(プーリーの交換や、メカ部の調整で直りました)残りの1台は完全にダメでしたね。もしかしたら今なら頑張れば直せるかも知れないですが、再生可能なものが3台あるので、おなか一杯です。

ちなみに、プレーヤーはこんな感じです。一番したのやつです。懐かしきNational(現Panasonic)のDiscLordという機種です。ちなみに、購入した4台はすべてNationalのものです。理由は、本体がだめでも針が使えるとかあるのでは?と思ったためです。ただ、やはり時期により針の型も違うようです。DP-900とDP-450、DP-330とDP-830は同じ針(厳密にはカートリッジ)のようですね。DP-900のカートリッジは、DP-830のものと比べ、厚みがあります。
※ちなみに、DP-830の再生不能なカートリッジに、DP-900の針部分のみを移植したところ、再生できました。

VHDの癖

今デジタル化するにあたって、メインでDP-830を使用しています。そして、 「世界民族音楽体系」 は訳あって2セット持っているので、1枚再生してダメ(途中でひどいノイズが入ったり、飛んだりした場合)だったときは、もう一枚のディスクを使用します。それでもだめなら、DP-450で再生します。

今まで試したところの感覚値ですと、「状態のよいプレーヤー(針)だとしても、正常に再生できるとは限らない」という印象です。相性という言葉を使うと簡単なのですが、中の回路部分の状態も、再生の品質(綺麗かどうかというより、映像の飛びがあるかどうかの致命的なレベル)に影響するイメージです。

※まぁ、上記の機種はそもそも発売が私が物心つくかつかないかくらいの骨とう品な訳ですが…

※余談ですが、VHDの針は黒いのが普通なようです。針の劣化と勘違いして、やすり等で磨いてカートリッジ一つ再起不能にしました。

画質

こんな感じです。VHSと同程度の画質と言われています。
まぁ、こんな古い機械に高画質を求めたりはしないですが…資料としては、問題ない画質かな、といった感じですね。

資料として

VHDの話ばかりだったので、 「世界民族音楽体系」 についてちょっと感想を。
まだ全部見ているわけではないのですが、 「世界民族音楽体系」 は全16巻(それぞれ両面合わせて90分~120分程度収録)、新の方は全15巻で、結構なボリュームがあります。

個人的には楽器演奏の様子を見たかったのだけど、踊りや(伴奏なしの)歌のほうがおおいイメージです。でも、楽器演奏のシーンもそれなりにあります。

楽しいか?と問われると、興味のある地域の音楽や楽器は楽しいですが、それ以外は…笑

ですが今後楽しく見れる日が来ると思うので、その日のためにデジタル化したいと思います。

最後に

と、ここまでVHDの扱いについて語らせて頂きましたが、VHDというものはほとんど使用したことがなく、扱いについてまだいろいろわかっていないと思います。針のクリーニングもどうしたらいいの?という状況なので…

なので、VHDの扱いについてご存じの方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せいただけると幸いです。