ポルトガルの民謡、ファドで使用される楽器。
リスボン型とコインブラ型の大きく2種類があり、写真の楽器はリスボン型。


ペグ(というと誤解があるので、チューナー等と呼んだ方が正確らしい)の形は独特で、ねじになっており、フックにループを使った弦をひっかけ、チューナーの先端(太い部分)を回すことでフックの位置が上行/下行し、それにより調弦を行う。



弦留は、マンドリンと同様にフックに弦のループをひっかける形。
リスボン、コインブラ共にポルトガルの都市の名前であり、それぞれの地方で若干異なる方向に発展していった様子。
ソロ、伴奏共に使用される。(但し、伴奏と言っても、普通のギターのようにコードをじゃかじゃか鳴らす感じではないらしい)
コインブラ型はリスボン型よりも弦長が長くリスボン型が一般的に44.5cm程度なのに対し、47.0cmほどと異なる。(ボディサイズはコインブラの方がリスボン型より若干小さいが、厚みコインブラ型はリスボン型よりも弦長が長くリスボン型が一般的に44.5cm程度なのに対し、47.0cmほどと異なる。(ボディサイズはコインブラの方がリスボン型より若干小さく、厚みがあるらしい)
コインブラ型は、リスボン型より全音低く調弦する。
これは、当時コインブラで活躍していたアルトゥール・パレデスの影響を受け、コインブラの学生たちが標準的な慣習としてそのように調弦したことに由来するらしい。
しかしながら、音名はそのままで使用していた(実音はCなのに、Dと呼んでいた)こともあり、楽譜も実音と異なった記載となったらしい。
(参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Portuguese_guitar)
そういった経過もあり、コインブラ型は移調楽器という扱いになる。
(情報をくださった方、ありがとうございました!)
弦楽器で、楽譜が実音とオクターブ違いで書かれる事は、ギターやコントラバス等でよくあるが、移調楽器という扱いは非常に珍しい。
基本的に、五線譜(=固定された音名表記体系)を使わない音楽文化では、原則として「移調楽器」という概念は成立しない。
一方、コインブラ調弦の定着は19世紀後半から20世紀初頭と比較的近代に属し、これが学生層を中心とするアカデミック寄りの環境で用いられたことにより、ファドの実践において五線譜が使用されるようになった可能性がある。その結果として、記譜上の都合から移調的な表記が採用されたと考えられる。
調弦/チューニング
弦は、マンドリンや12弦ギターのように、2本1セットで張られる。(そのため、2弦、3弦、と言った言い方はせず、2コース、3コースのような言い方をする)

左より、6コース~1コース。
6~3コースはオクターブ違いで調弦される。
コインブラ型の場合、上記より1音低くなる。
弦について
ポルトガルギター用の弦は海外から取り寄せることができるが、日本では入手が難しい。
もし他の楽器用の弦を使用するのであれば、マンドリン用のものや、ギター用のものが考えられる。
但し、ギター用の弦を使用する場合、ボールエンドが邪魔なので、外す必要がある。ボールエンドはペンチ等で潰せば壊せるが、勢いよく潰すと弦が切れたりするので、若干注意が必要。
ペグ側のループは、専用弦を購入した場合でも、自分で作る必要がある。
特に結んだりする必要はなく、輪を作ってねじるような形でできるが、慣れは必要。
以下は素人作業ではあるが、ループの例。

弦をUの字に曲げ、両端をペンチなどで固定し、輪の部分にドライバーなど細い棒を通し回せば作ることができる。
ワウンド弦については、端の内、尾留につながる方に、もう片方を巻き付ける形するとよい。
(そうしないと、調弦した際にほつれやすい。)
リスボン用の弦のゲージ一例は以下の通り。(ポルトガルより輸入した弦のパッケージ表記値)
6コース:018w, 036w
5コース:010, 024w
4コース:009, 020w
3コース:013, 013
2コース:010, 010
1コース:009, 009
※wはワウンド弦、他はプレーン弦。単位はインチ。
サイズ
弦長:約44.3cm
全長:約81.5cm
