ウイグル ドタールの修理 repair of uyghur’s Dotar

ウイグルのドタールを入手しました。
表板割れあり、ペグ、駒などない状態です。

はい、見事に割れています。

できることなら表板を外してしっかり修理した方がいいのですが、そこまでの技術がないので表板を外さない修理をすることにします。

表板修理

まずこの隙間、両側を強く押しても閉じませんでした。ということは、ほかの木材で埋める必要があります。
もともと使っていた木材が何なのかわからないので、色が似ているマホガニーを埋め込むことにします。

こちらがそのマホガニー。ホームセンターで1mm×2mmの細い材が売っていました。
過去に息子の夏休みの工作でウクレレを作ったとき、フレットにしようと思って買ったやつの余りです。
板の溝に入るよう、下側をさらに薄く加工します。
また、溝は下の方ほど開いており、上の方に行くにつれ細くなっているので、この材もそのように加工します。

ちょっと影ができて見にくいですが、先ほど加工したマホガニーを差し込んだところです。
接着剤にはタイトボンドを使用しました。

で、表板が膨らんでいたので、上から押します。

写真ではよくわからないですが、四角い木枠を作って、その中に胴体を入れてます。

このまま一晩寝かせて、余ったマホガニーを彫刻刀で丁寧に取り除きます。
それが終わったらサンドペーパー(400番くらい)をかけました。

で、できたのがこちら。
よく見ればすぐわかっちゃいますが、気にしなければ気にならない程度になりました。

ペグの作成

続いてペグです。
ドタールのペグは特殊な形をしています。
ペグのみ購入できないか色々探しましたが見つかりませんでした。
今回は仕方ないので、ビオラのペグで代用しました。
※バイオリンのペグだと、穴が大きくてだめでした。

こんな感じですね。

チューニングと弦

さて、次はチューニングと弦です。
まずは私のバイブル、Play the worldで調べます。

残念、ドタールは載っているものの、これは多分ミニチュアだ…
参考になりません。
仕方ないので、Youtubeで演奏動画探して耳で取りました。

下はA2。ギターの5弦と同じ高さです。上は4度調弦としたらD3。
弦長は約111cm。
この情報をもとに計算すると、クラシックギターの2,3弦くらいの弦が良さそう。
※ちなみに、弦の張力がクラシックギターと同じと仮定した場合です。

クラシックギターの弦長は650mmくらいなので、クラシックギター用の弦を買ってきても長さが足りず使えそうにありません。
なので、代わりにナイロンの釣り糸を使うことにしました。
24号と40号あたりが大体同じ太さです。

早速釣具屋に走ったわけですが、この太さの釣り糸ってあまりないんですね…
あったはあったけど一つ4000円くらいするので諦めました。
なのでAmazonでぽちり。

駒の製作

駒はネットの写真を参考に作りました。
こんな感じです。山桜の木を使いました。

ネックの反り矯正

あとはネックがかなり反っていたので、熱を加えて矯正します。

この鉄パイプは、ホームセンターでネック矯正用に昔買ったものです。
もともとは長かったんですが、扱いやすい長さに切ってもらいました。
このストーブ、今は暖房器具としては使っておらず、もっぱらネックの矯正用です。
やはりネックが長いため、一か所の矯正では治らず、何回か繰り返しました。

完成!

で、弦を張って、出来上がり!
試奏してみました。
別に何かの曲という訳ではなく、適当に弾いてます。

と、思いきや…

そして何日か経った頃、背面が割れていることに気づきます。
多分自然になったんじゃなくてぶつけちゃったんだな…
ショックで死にそうでした。

どうやって直すか悩んだ挙句、こうしました。

タイトボンド流し込んで、ベルトクランプで締めました。
写真下側はベルトが滑ってずれてしまうので、後ろからベルトを回して、動かないようにしました。

で、無事接着完了。
黒い装飾がところどころとれてますが、多分部屋のどこかに落ちてると思うので、見つけたらくっつけようと思います。

以上、お付き合いいただきありがとうございました。