ガンブスのメンテナンス

先日、ガンブスを(ウードだと思って)入手しました。
元師匠にたかられて止む無く譲ることになったのですが、ただ見て終わり…というのも寂しいので、一度ガンブスのレッスンを受けました。

ただ、ガンブスが弾ける状態ではなかったので、実技はウードを使いましたが…

レッスンの後無事メンテして弾けるようになったので、その記録です。

入手時の状態

弦は1コースがありませんでした。
というか、それ以前に2コースと3コースの弦が同じ太さに見える…
そして巻き弦がないのも珍しい。

そして、ペグは案の定ギチギチいう感じです。

裏面はこんな感じ。

ロゼッタの中をのぞくと何かの張り紙。1979/7/30らしき日付だけ読めます。
と思ったけどよく見るとこれアルファベット?
いずれにせよ読めませんでした。

とりあえず弦を張る

とはいったものの、どうしよう。
調弦はウードと同じとのことだったので、チューニングは実音で以下のようになります。左から5~1コースです。
※ただ地域とかスタイルとかでも変わるようなので一例です。

自宅にあった一番細いナイロン弦が、クラシックギターの2弦だったので、とりあえずそれを1コースに張ってみることにしました。
(本当はチャランゴの弦があったけど、黒いし明らかに細すぎなので)

2コースより明らかに太い弦を1コースに張り、何とかドに合わせるも、他の弦がダルダルすぎる…

これ絶対珍しいスタイルじゃなくて全オーナーが適当にやったんだな…

弦の入れ替え・張替え

とりあえずどんな弦を張ればいいか知るために、手持ちのウードの弦のゲージを測りました。

弦のゲージを図るために、マイクロメーター(下の写真)があると便利です。

いつもはミリで測るんですが、以下はインチに直したものを掲載しています。

コースウードの弦の種類ウード弦のゲージガンブス弦のゲージ
5巻き弦0.3280.415
4巻き弦0.2820.322
3巻き弦0.2450.240
2 裸ナイロン 0.3100.240
1 裸ナイロン 0.280

ガンブス弦のゲージは、この子に張ってあったもののゲージです。
って、2コースと3コースやっぱ同じ太さだ…

5コースと4コースはクラシックギターの5,4弦が使えそうでした。(そしてたまたま2セットずつ持ってました)

1コースは2~3コースに張ってあった0.240を使い、2コースは先ほど1コースに無理やり張ったクラシックギターの弦が使えそうなのでそうします。

で、3コースどうしよ。
いい太さの巻き弦もないし…
まぁ、もともと5コースに張ってあった太いナイロン弦使えばいいか。

で、作業中の様子。
部屋汚ねぇ…
ネックの付け根付近にある缶は晩酌のお供、STRONG ZERO ダブルレモンです。

ついでに、ペグも

折角弦を外すのでギチギチのペグを何とかします。
こんな時は、これ。

コンポジションの出番です。

余談ですが、コンポジション=ペグソープだと思ってたんですが微妙に違うらしいですね。

作業の様子を残していなかったので、ペグはバイオリンのものを用意ましたので雰囲気だけ味わってくださいませ。

赤矢印の部分が糸蔵にかかる部分で、若干てかったりしてるので見分けがつきます。が、こんかいはかなり乾燥してギチギチになっていたので、わかりにくかったです。

これを塗るだけで、かなりペグの動きがスムーズになって、実に快適です。

そして、ナットには石鹸を塗ります。
弦の摩擦がかかる(けどほんとはかけたくない)ところには石鹸を塗るとよいです。チューニングもしやすくなりますよ。

で、完成!

できました!

手前がメンテ完了したガンブス、後ろには兄弟分の(?)ウードです。

早速試し弾きしてみます。

このガンブスでは、マレーシアの民謡や、マカームを演奏することが多いそうです。

以上、ガンブスメンテの様子をお送りしました。